実は、中国語の発音記号にはピンインと注音記号があります。
書店に売っている中国語教材はほとんどピンインで書かれているので、注音記号を覚える必要はないのではないかと思うかもしれませんが、そうとも言い切れません。
今回は、発音記号どちらを覚えようか迷っている人向けに↓の内容をまとめます。
・ピンインと注音記号の違い。
・どちらを覚えればいいのか。
・それぞれの覚えた方。
注音記号はㄅㄆㄇㄈ(ボポモファ)とも言いますが、ここでは注音記号と呼びます。
ピンインと注音記号の違い
ピンインと注音記号の違いは2つに分けてそれぞれ説明します。
違い(1) 基本
基本的な違いについては↓の表を見てください。
書体 | 読み方 | 総数 | 地域 | |
ピンイン | ほぼアルファベット | ルールが細かい | 27 | 中国大陸 |
注音記号 | 独特な書体 | そのまま読める | 37 | 台湾 |
書体
まず、書体について、ピンインはアルファベットa~zとüからなります。üだけ中国語独自なものになりますが、他は見慣れたものになります。
一方、注音記号は、「ㄚ」(ピンインのa)や「ㄗ」(z)、「ㄩ」(ü)のような独特なものからなります。
読み方
ピンインは発音記号にいろんなルールがあるので、慣れていないと読みづらいです。
なんでそんなルールがあるのかと言うと、ピンインが中国語の音を正確に表しているとは言えないからです。
例えば、意外に間違えやすい中国語の発音【ui、iu、un】の記事を見ると、对 の発音記号は「dui」ですが、読む時は「duei」と読まなければなりません。
後は、ルールとは関係ありませんが、ピンインの「e」は日本語のえに近い「e」なのか、あいまい母音の「e」なのか見分けがつきません。
この「e」は単語ごとに読み方をいちいち覚えないと読めません。
一方、注音記号は、中国語の音を正確に表すので、そういった細かい決まりを覚えなくてもそのまま読めます。
例えば、さっき例に挙げた对は「ㄉㄨㄟ」(duei)と注音記号を覚えればそのまま読めます。
またピンインの「e」は「ㄝ」(日本語に近いe)と「ㄜ」(あいまい母音)の2つに分かれていて、発音記号を見ればどう発音すればいいのかが分かります。
注音記号はそのまま読めばいいので分かりやすいです。
総数
ピンインはアルファベットとüからなるので総数は27になります。
一方、注音記号は、1文字でピンインの1文字や2文字、3文字を表すので、総数はピンインより多くなり37となります。
地域
ピンインは中華人民共和国時代に作られたので、中国大陸で使われます。
一方、注音記号は中華民国時代に作られたもので、過去に中華民国は中国大陸での内戦に敗北し、台湾に移った経緯があるため台湾で使われます。
違い(2) 認知度
認知度も↓を見てください。
中国人 | 中国の中国語教師 | 台湾人 | 台湾の中国語教師 | |
ピンイン | 〇 | 〇 | × | 〇 |
注音記号 | × | × | 〇 | 〇 |
さっき地域の説明でした通り、中国大陸ではピンインが、台湾では注音記号が使われます。
そのため一般の中国人の場合、ピンインしか習わないため注音記号は分からないし、台湾人は注音記号しか習わないためピンインは分かりません。
一方、中国語の先生となると、そもそも中国語の授業がピンインで学ぶものとなっているので、中国大陸の先生も台湾の先生もどちらもピンインは分かります。
しかし、注音記号は台湾の先生しか分かりません。
どちらを覚えればいいのか
これまでピンインと注音記号の違いを見てきましたが、結局どちらを覚えればいいのでしょうか。
パターンごとに分けて解説します。
発音の細かいルールを覚えたくない場合
この場合は注音記号を覚えましょう。
ピンインは発音するときにルールが分かっていないと正確に発音できませんでした。
一方、注音記号は37個の記号を覚えさえすれば、そのまま読めます。
そのため、発音で楽をしたい人は注音記号を覚えましょう。
日本の参考書で中国語を勉強する場合
この場合はピンインになります。
日本で売られている中国語の参考書は基本的にピンインしかありません。
そのため、注音記号を覚えても参考書で発音を確認できません。
さらに、ネット上の辞書(weblio辞書など)でも注音記号は基本的に書かれていないので、使える辞書が限られてしまいます。
どうしても注音記号を覚えたい人は、ピンインも覚えないと不便でしょう。
中国語の先生に中国語を教わる場合
これは、ピンインを覚えればいいです。
まず日本や中国大陸、台湾どこであっても、中国語の先生はピンインが分かるのでピンインを覚えれば困ることはありません。
結論
注音記号を覚えるべき人は、読みやすい発音記号で発音したい人だけです。
それ以外の場合は、注音記号が分からなくても基本的に困りません。
台湾に行っても中国語の先生はピンインで授業をするので問題ありません。
むしろ注音記号しか分からないと、使える学習教材が限られてくるのでおすすめしません。
注音記号を覚えるなら、ピンインも覚えましょう。
発音記号の覚え方
ピンインと注音記号の覚え方をそれぞれ説明します。
ピンインの場合
発音記号は記号を見て正しく発音できればオッケ―です。
よく、発音教材を買わずにサイトで発音を学習している人がいますが、あまりおすすめしません。
発音記号を見て正確に発音できないと、相手に通じなかったり相手の中国語が聞き取れなくなってしまうので、発音教材は良質なもので学習しましょう。
良質な発音教材を知りたい場合は↓の記事を参考にしてください。この1冊で発音の基礎を完璧にしましょう。
注音記号の場合
注音記号用の発音教材は基本的にないので、ピンインが書かれている発音教材を使いましょう。
ただし、ピンインの横に対応する注音記号を書きます。
ピンインではなく注音記号を見て正確な中国語が発声できるようにしましょう。
ただ、人によっては記号が見慣れない形なので覚えられないかもしれません。そういった場合は、覚えようとしなくてもいいです。
代わりに、スマホで中国語を打つときに注音記号を使っていれば、覚えようとしなくても一か月ぐらいで大体覚えられます。
そのレベルになると注音記号で迷わずに発音できます。
まとめ
ピンインと注音記号に関するまとめは↓の通りです。
・ピンインは中国語教師以外の台湾人には分からない。
・注音記号は中国人には分からない。
・注音記号を覚えるべき人は、使い勝手のよい発音記号で発音したい人だけ。
・発音記号を覚える際は、発音記号を見て正しい状態で言えるようにする。
・正しい発音の仕方を覚えるには発音教材を参考にするべき。
日本でどちらの発音記号を覚えるか迷う人は基本的に2択です。
1つはピンインだけ、もう1つはピンインと注音記号の両方です。
両方覚えないといけないのは面倒ですが、台湾には注音記号で書かれた看板や言葉があるので、注音記号を勉強しておくと、発音で役立つ以外にもメリットはあります。
台湾へ行く予定があるなら全部で37個の注音記号程度なら覚えてもいいのではないかと思います。
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